連載コラム

遠藤利三郎の「読むワイン」~利三郎文庫便り Vol.08 2018.04.06

「ワイン語辞典」を読む。

これは良い発想の本だ。

ワインを楽しむときに知りたくなる用語を網羅し
醸造栽培用語から、醸造家、有名銘柄、
時事ネタ、おススメワインバーにまで及ぶ。
堅苦しくなく、中濱氏の軽妙な解説は読んでいて楽しい。
これがあれば、ウンチクが飛び交う怖そうなワイン会でも
遅れを取ることはないだろう。

ヴァン・ナチュレル(いわゆる自然派)への片寄りがあるが
それはそれ。
中濱潤子氏の良い持ち味が出ている。

題名:ワイン語辞典
著者:中濱潤子
出版社:誠文堂新光社



「葡萄酒と健康」を読む。

インフルエンザの特効薬は
コート・デュ・ローヌの赤らしい!

神保町で発掘した古書。
ロンドンのホメオパシー専門医モーリィ先生が
いかにワインが健康に良いかを
精魂込めて記した一冊。

ありとあらゆる病気に対して
いかにワインが優れた効力を発揮するか。
病名、その原因、治療薬(ワイン名)、病状が改善される理由、
さらには服用量(飲酒量ではない!)までが懇切丁寧に書かれている。
その内容が素敵すぎる。

発熱の場合に飲むべきワインはシャンパン。
発熱時には体が消耗するので
エネルギーの補給には良質のワインが必要であり、
~中略~ 辛口のシャンパンが最適であるとのこと。
服用量は1時間おきにグラス1杯、一日一瓶。
はたまた、痛風にはサンセールかプイィを食事中にグラス2杯、
インフルエンザにはコート・デュ・ローヌを1日半瓶飲むのが
治癒に効果的なのだと!

病気になった時には、一刻も早く治すために
モーリィ先生の指示通りワインを服用しなくては。
仕方ねぇなあ。

題名:葡萄酒と健康
著者:エリック・A・モーリィ
出版社:紀伊国屋書店