連載コラム
遠藤利三郎の「読むワイン」~利三郎文庫便り Vol.16(2019_05_24)
「葡萄酒と健康」を読む。
インフルエンザの特効薬は
コート・デュ・ローヌの赤!らしい。
神保町で発掘した古書。
ロンドンのホメオパシー専門医モーリィ先生が
いかにワインが健康に良いかを
精魂込めて記した一冊だ。
ありとあらゆる病気に対して
いかにワインが優れた治癒力を発揮するか。
病名、その原因、治療薬(ワイン名)、病状が改善される理由、
さらには服用量(飲酒量ではない!)までが懇切丁寧に書かれている。
その内容が素敵すぎる。
発熱の場合に飲むべきワインはシャンパン。
発熱時には体が消耗するので
エネルギーの補給には良質のワインが必要であり、
~中略~ 辛口のシャンパンが最適であるとのこと。
服用量は1時間おきにグラス1杯、一日一瓶。
はたまた、痛風にはサンセールかプイィを食事中にグラス2杯、
インフルエンザにはコート・デュ・ローヌを1日半瓶飲むのが
治癒に効果的なのだと!
さすがはイエス・キリストの血であるワイン。
万能の治癒力だ。
病気になった時には、一刻も早く治すために
モーリィ先生の指示通りワインを服用しなくては。
仕方ねぇなあ。
書名:葡萄酒と健康
著者:エリック・A・モーリィ
出版社:紀伊國屋書店
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「あ、これ美味しい!の言い換え力」を読む。
ワインのコメントに
行き詰まっている方へオススメの一冊。
著者は味覚表象校正論が専門の学者。
(いろんな学問があるもんだと感心する。)
単に「美味しい」から
個性豊かな表現をすることができるのかを
身近な食品である日本酒、ワイン、コーヒー、
チョコレート、カレー、ラーメンを例にとり、
どのように表現を組み立てていくかを解説。
専門誌などのデータベースから
味わいの表現によく使われる単語をリストアップ。
その表から食品ごとの表現の特質を解説したりと実践的だ。
著者オリジナルのフレーバーホイールも参考になる。
一般的な手法とは異なる観点から
ワインのコメントが一皮剝けるのに
役立ちそうなヒントがたっぷり詰まっている本だ。
本文中、度々「ソムリエ」が味覚表現のエキスパートとして
引き合いに出されるのには苦笑してしまう。
が、改めて考えてみると
日頃から香りだ味わいだとかを
考えたり表現したりするなどというのは
かなり珍しい仕事なんだと再認識。
(それとやたらGAKUTOが持ち上げられているのが
鼻につくが、それはそれ、ご愛嬌。)
書名:あ、これ美味しい!の言い換え力
著者:福島宙輝
出版社:三才ブックス