連載コラム

連載コラム:佐藤くらら陽子のブルゴーニュ日記 Vol.08 2016_08_28

ブルゴーニュより、こんにちは、佐藤くらら陽子です。

太陽の光が肌に突き刺さるような好天が続くボーヌです。
8月末というにもかかわらず、Canicule(カニキュル)という猛暑が続いており、先週との気温の差が10度以上という、例年にない気候です。
先週までは寒く、セーターやジャケットが必須、恒例の土曜日の朝市では震えるほどの寒さでした。にもかかわらず、今週は35度を超す毎日がつづき、外に出るのも危険です。テレビでは、外出や外での運動を控え、家の中を涼しくし、水分をよく取り、アルコールを控えるようにというCMが流れるほどです。(アルコールを控える、、のは、難しいですね。。。汗)

8月も中旬を過ぎると、畑での作業は一休みです。この暑さですと、Rognage(ロニャージュ)という、伸びすぎている葉の背丈をそろえる作業や、葉を整える作業で畑に出ている人も少なく、ドメーヌで働く人達の多くが夏休みを取っています。今は、天候を見守りつつブドウの色付きを待つ状態です。
今年は4月の遅霜と6月の長雨の影響で、ブドウの成長過程は遅く、収穫もそれに伴い昨年より1か月近く遅くなる予定です。
昨年は9月の初めから収穫が始まりましたが、地元の新聞によると9月末から10月が収穫開始予定とされています。
今の畑は、色付きが始まっています。畑を覗くとピノ・ノワールが黒くなり始め、ようやくブルゴーニュらしい畑の風景になりつつあります。畑を歩くと丘の斜面の畑の色付きが早く、平らな土地のブドウは緑で、色付きがまだらなのがわかります。
この猛暑のお陰で、色付きが進み、ブドウの実の熟成期に入ってもらいたいものです。
色付きはしていてもブドウは見るからに硬そうで、まだまだ美味しそうには見えません。(つまみ食いできない感じです!)
今年は収量が少ないことが懸念されますので、どうにかこれからの天候が味方してくれて、少量でも熟した美味しいブドウができることを期待したいです。

そんな中、夏休みに母と犬2匹を連れてヴェズレーに行ってきました。途中、ブルゴーニュのシャトーヌフという小さなお城のある、町の至る所が可愛いお花で飾られている村に立ち寄りました。(ローヌ地方ではないです)おとぎ話に出てくるような素敵な村でした。
ヴェズレーではもちろん、AOPヴェズレーを初めて飲みました。酸味はあるものの、ミネラル感よりも果実味を感じ、ちょっと変わった印象のシャルドネでした。
そして、ヴェズレーの大聖堂のミサに行ってきました。私はカトリック信者なのですが、そのミサの中で、キリストの血として頂くワインを頂ける機会がありました。
キリスト教の布教のお陰で、フランスのワインが発展してきたわけですが、ミサの聖体拝領でのキリストの体とされるご聖体を頂いた後、ヴェズレーのミサでは盃が用意されていて、信者はそれを頂くことができます。
普通のミサではそのような機会はないので、ドキドキして行列に並びました。そして、神父様からご聖体を頂いた後、盃を手に取りました。そして、中を見ると、な、なんと、白ワイン!!キリストの血として頂くワインですので、赤ワインかと思っていたのですが、まさかの白ワインでした。そして、一口頂いてみると貴腐ワインか、酒精強化されているワインなのか、(おそらく保存のため)甘く、濃厚な味わいのワインで、貴重な体験をしてきました。

今は、まだ夏休みモードで、観光客で賑わっているボーヌです。この暑さは私にはハードですが、ブドウの事を思ってこの天候に感謝したいと思います。

でわ!また