ヤラ・イエリング〜ヤラ・ヴァレー復活への軌道〜

ヤラ・イエリングは、オーストラリアにおいてフィロキセラ後のヤラ・ヴァレー復活のパイオニア、ベイリー・カローダス博士が1969年に設立したスーパー・プレミアム・ワイナリーです。「優良生産者」をテーマにしているアカデミー・デュ・ヴァンのワイン総合コースStep-Ⅲでも紹介し、受講生の皆さまに人気のワイナリーでもあります。
　ベイリー・カローダス博士の栽培・醸造での細部へのこだわりは、2013年より新醸造家サラ・クロウ（2017年ワイン・メーカー・オブ・ザ・イヤー）に引き継がれました。「飲んでおいしいワインかどうかが大事」という考えを貫いており、ブドウ栽培やワイン醸造に関する情報は非公表。その理由は、知識にとらわれて頭でワインを飲んで欲しくないということからです。
　1978年よりブレンド比率やオーク樽の種類や熟成年数など、独自のスタイルを築き上げてきたヤラ・イエリングでは、今でもワイン造りにさまざまな工夫が施されています。ユニークさと品質へのこだわりにより、ワールド・クラスのワインを生み出している造り手であると言えるでしょう。
　今回は、ヤラ・イエリングの新時代を担う実力派醸造家サラ・クロウ女史と共に、カローダス博士が手掛けたワインと彼女が造り上げたワインをテイスティングし、その独自のスタイルを紐解いていきます。

【Wine List】
・2000 Dry White No.1    …￥8,500
・2014 Dry White No.1   …￥9,800
・2015 Pinot Noir 　　 …￥9,800
・2014 Dry Red No.2    …￥9,800
・2001 Dry Red No.1   　…￥12,200
・2014 Dry Red No.1   　…￥9,800

*価格は参考小売価格（税別）

【講演者プロフィール】Sarah Crowe サラ・クロウ
ヤラ・イエリング醸造家
2000年から12年間ハンター･ヴァレーのブロークンウッドでチーフワインメーカーとして活躍し、2009年には「ハンター･ヴァレー･　レジェンド＆ワイン･インダストリー･アワード」に輝いた実⼒派の醸造家。苗⽊会社のマネージャーとしてキャリアをスタートしたクロウは、ヤラ･イエリングの畑を理解することから始め、カローダスが確⽴したヤラ･イエリングのワインのスタイルを⼤きく変えることなく、よりクリエイティブなワイン造りを⾃分の使命として取り組んでいます。2017年には⼥性で初めて「ジェームス･ハリデイ･ワインメーカー･オブ･ザ･イヤー」に選出され、今後ますます彼女の腕に期待が寄せられています。