洋ナシやカリン、リンゴの香り。さらに白い花やほのかな酵母のニュアンスが重なります。みずみずしい果実感と爽快感が広がる、親しみやすい香りです。口に含むと味わい深い印象が広がり、清涼感のある酸味が爽やかな表情を与えながら、辛口らしい端正な味わいを形づくります。余韻には心地よい広がりがあり、ワインの持つ奥行きを感じさせながら長い余韻が残ります。白根地区の恵まれた環境が育んだ甲州の個性を丁寧に表現した、清々しい酸と味わい深さが共存する、余韻が豊かな辛口の甲州です。
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日本の風土と向き合い続けるマルスワインの挑戦
~マルスワイン(本坊酒造)/日本・山梨県~

山梨のブドウと歩み続けた挑戦の軌跡
1960年、本坊酒造は日本の風土を活かした本格ワイン造りを目指し、山梨県笛吹市石和町にマルス山梨ワイナリーを設立しました。その後も山梨県内の生産者と長年にわたり信頼関係を築きながら、日本ワインの可能性を追求してきました。転機となったのは1980年代から続く韮崎市穂坂地区との結び付きです。高品質な醸造用ブドウの産地として知られる穂坂の魅力に着目し、2000年には自社農園「穂坂日之城農場」を開設。さらに2017年、世界に通じる品質を目指す醸造拠点としてマルス穂坂ワイナリーが誕生しました。現在は醸造を穂坂、熟成と瓶詰めを石和で担う体制を確立しています。山梨各地のブドウと向き合い続けてきた経験を礎に、産地ごとの個性を表現する日本ワインの新たな価値創造へ挑戦を続けています。

穂坂丘陵が育む個性とテロワールの未来
茅ヶ岳山麓に広がる穂坂丘陵は、日本有数の日照時間を誇るブドウ栽培適地です。自社畑の穂坂日之城農場は標高約500mの南東向き斜面に位置し、豊富な陽光と昼夜の寒暖差、優れた水はけに恵まれています。さらに地域特有の「八ヶ岳おろし」が畑を乾燥させることで病害の発生を抑え、凝縮感と健全性を備えたブドウを育みます。ワイナリーでは高低差を活かしたグラビティ・フロー方式を採用し、果実への負荷を最小限に抑えながら繊細な個性を引き出しています。近年は地域単位の表現からさらに踏み込み、畑や生産者単位の個性を伝えるワイン造りへと進化を進めています。山梨という大きな産地を語るだけでなく、その土地の一画まで映し出すワインを目指す姿勢こそ、マルス穂坂ワイナリーの未来を象徴しています。
