ブラックベリーやプラム、ダークラズベリーなどの果実に、スパイスや血液を思わせる鉄分のニュアンスが調和した深みのある香りが特徴です。味わいはしっかりとした骨格と凝縮感を備えつつ、フレッシュな果実味が広がり、ベルベットのように滑らかな口当たりを楽しめます。バランスの取れた余韻が長く、素朴さと渋みが心地よく感じられる構成が見事で、若いうちからでも楽しめますが長期熟成のポテンシャルも備えています。
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息子二人に受け継がれたワイン造り
ミュジニーの最高峰と称される名門ドメーヌ「コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ」で30年以上にわたり醸造責任者を務めたフランソワ・ミエ。彼は息子たちとともに2017年に新たなブランド「フランソワ・ミエ・エ・フィス」を立ち上げました。このプロジェクトは彼の豊富な経験と、次世代の情熱を融合させたもので、ワイン愛好家の間で注目を集めています。
2021年をもってフランソワ・ミエは引退しましたが、息子たちがその意思を受け継いでいます。アドリアン・ミエは「ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ」で栽培を担当し、ジュリアン・ミエは「アントナン・ギヨン」で醸造責任者として活動していました。それぞれの経験を活かし、父が築いたワイン哲学を引き継いでいます。
フランソワ・ミエ・エ・フィスのワインスタイル
「フランソワ・ミエ・エ・フィス」のファーストヴィンテージは2017年、わずか10樽ほどの生産量でした。そのスタイルは、基本的に除梗を行い、ピジャージュ(果帽を押し下げる作業)は避け、ルモンタージュ(果汁の上澄みをかけ流す作業)のみでやさしく抽出されます。この繊細な醸造手法は、フランソワ・ミエが長年手がけたヴォギュエのワインスタイルを踏襲しており、エレガントで洗練された味わいが特徴です。