チェリー、ラズベリーなどの赤や黒の果実、スミレ、リコリスの香り。さらにスパイス、スモーキーなニュアンスも。力強さとエレガンスを併せ持ちながらも、シルキーなタンニンを感じる気品ある構成。熟成を支える美しい酸味も比較的涼しい区画のワインゆえ豊富です。凝縮感がありつつも緻密な質感で、ミネラルや土壌由来のニュアンスを伴いながら長く美しい余韻へと続いていきます。
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コルトンはコート・ド・ボーヌで唯一の赤ワインのグラン・クリュであり、コート・ドール全体においても珍しく複数のサブ・クリマに分かれる特別な存在です。その中でも「ル・コルトン」はアペラシオン名の由来となった歴史的な区画で、ブシャールはその60%にあたる3.55ヘクタールを所有しています。標高の高い丘の頂上付近に位置し、東向きの畑は北風により果実が清潔に保たれ、病害のリスクも少ないため、健全な熟度が穏やかに得られる理想的な環境となっています。
この畑は浅く鉄分を含んだ赤粘土質の土壌が特徴で、その下には緻密な石灰岩の層が広がっています。この独自の構成により、他の深い粘土質土壌を持つコルトンとは異なり、よりエレガントで花のようなキャラクターを備えたスタイルのワインが生まれます。また畑の下部には岩が多く、これらが太陽の熱を蓄えてブドウの成熟を助けることで、フレッシュさと力強さを兼ね備えたバランスの良い果実が育まれます。「ル・コルトン」は若いうちから親しみやすいスタイルで、今すぐ楽しむことも、もちろん熟成させることも可能です。
【2022ヴィンテージ Wine Score】
ジェームスサックリング:96点/ワインスペクテーター:96点/デキャンター:96点/ワインアドヴォケイト:93-95点
コート・ドールのテロワールを忠実に再現
※シャトー・ド・ボーヌ城
ブシャールの物語 ー 歴史と情熱が織りなすワインの芸術
ブシャールの歴史は、1731年に始まりました。しかし、本当の意味でこの名が輝きを放ち始めたのは、1775年のこと。ヴォルネーの名高いカイユレ畑やタイユピエ畑を手に入れ、ワイン造りの第一歩を踏み出しました。
大きな飛躍を遂げたのは、3代目アントワーヌ・フィリベールの時代です。フランス革命の混乱の中で、多くの畑が国に没収され、民間へ払い下げられました。アントワーヌはこの機を逃さず、可能性に満ちた畑を次々と手に入れ、ブシャールの所有する土地は飛躍的に広がっていきました。そして1820年、彼は歴史の重みを感じさせるシャトー・ド・ボーヌ城を購入。その地下に広がる静寂の空間を熟成庫として活用し、時を超えて今もなお、ワインがゆっくりと眠っています。
しかし、栄光の時代の後には試練が訪れるもの。1970年代から80年代にかけて、ブシャールは衰退の時を迎えました。しかし、ワインへの情熱は途切れることはありませんでした。1995年、シャンパーニュ・アンリオのジョゼフ・アンリオが経営を引き継ぐと、畑から醸造に至るまで、すべてを見直し、大胆な改革を行いました。その結果、ブシャールはふたたび世界に名を轟かせる名門ドメーヌへと返り咲いたのです。
ブシャールのワインは、ただ自社畑のブドウから生まれるものだけではありません。長年にわたり築かれた信頼関係をもとに、契約農家と共に理想のブドウを育てています。栽培の指導を行い、細やかな管理のもと、ブシャールのスタイルにふさわしい果実を厳選。2015年には、環境保全を重視した農法の最高レベルであるレベル3の認証を取得しました。自然との共存を大切にしながら、未来へと続くワイン造りを実践しています。
畑 ー 大地の声を聴きながら
ブルゴーニュの心臓部コート・ドールに広がるブシャールの畑。グラン・クリュ 12ha、プルミエ・クリュ 74ha、総面積130haに及ぶその広大な土地は、ワインの神秘を秘めています。約30カ所に設置された気象台は、天候や土壌の状態を見守り、病害の兆しをいち早く察知。まるで大地と対話をするかのように、最適なタイミングで手を差し伸べます。
収穫の時が訪れると、畑では職人たちが丁寧にブドウを摘み取ります。機械には頼らず、すべて手作業で、一粒一粒を大切に。果実を傷つけぬよう13kgの小型ケースで慎重に運ばれ、醸造所へと旅立っていきます。そこでは、選果台の上で最後の厳選が行われ、最も優れたブドウだけがワインへと生まれ変わるのです。
醸造 ー 時を超えて語り継がれる味わい
ブシャールの哲学はシンプルです。「テロワールの個性を、ありのままに表現すること」。そのために、樽香は決して強すぎず、控えめすぎず、ワイン本来の魅力を引き立てる絶妙なバランスを追求しています。特別にタランソー社と手を組み、オーダーメイドの樽を造る樽製造会社を設立。それぞれの畑の個性に合わせた樽を使用することで、唯一無二の味わいが生まれます。
2005年には、地下2階・地上1階からなる最先端のグラヴィティシステム醸造所が完成。重力を活かし、果実や果汁に余計な負担をかけることなく、やさしくワインを生み出していきます。最新の小型ステンレス発酵槽や、木製発酵槽を駆使し、それぞれの区画ごとに個別の醸造を実施。ブシャールのワインが、畑ごとの個性を鮮やかに映し出すのは、この細やかな手仕事の賜物です。静寂の地下2階には、ゆっくりと時を刻む樽熟成庫が広がっています。ここでは、一年を通じて温度と湿度が安定し、ワインたちは静かに熟成を重ね、豊かな表情を育んでいきます。
※画像はイメージです。ワインのラベルやキャップシール等の色、デザインは変更となることがあります。
またヴィンテージは、商品名や説明に記載がない場合、商品の画像と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
※商品の性質上、お客さまのご都合での返品・交換は原則としてお受けいたしかねます。