プラムやブラックベリーの熟した果実の香り。さらにクローブ、ブラックペッパー、ナッツが織り成す複雑なアロマ。バローロを思わせる濃密で重厚な構造を持ちながらも、メルロー特有の柔らかさが引き立ちます。高めの酸味としっかりとしたタンニンが調和し、ドライフルーツやスパイスの深みが余韻として長く続きます。美しく洗練したスタイルながら豊潤な味わいで、熟成の妙を感じさせる奥深い赤ワインです。
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ラディコンから師事を受けた、フリウリ自然派の名手「ダリオ・プリンチッチ」
ダリオ・プリンチッチは1993年、イタリア・フリウリ地方で設立されました。貧しい農家の出身でワイン造りの経験がなかったダリオは、友人であるラディコンやグラヴネルの影響を受けてワイン造りを開始。当初、濁った茶色のワインは市場で理解されず、販売は困難を極めましたが、日本がその味をいち早く評価。日本市場からの逆輸入という形で注目を浴び、現在ではフリウリのナチュラルワインを代表する存在となりました。彼のワインは、華やかで軽快な味わいが特徴です。
「畑がワインの全て」という信念に基づく自然農法
ダリオの畑は10haに広がり、自然農法を徹底しています。粘土質と砂岩質からなるポンカ土壌が主体で、ブドウの収量を抑えることで凝縮した果汁を得ています。銅や硫黄を最小限に抑え、自家製のコンポストを使用することで環境への配慮を徹底。収穫1か月前まで下草を伸ばし、生物多様性を保つため畑周辺に森を残しています。これにより、地域性が明確に表現されたブドウが育ちます。彼の哲学は、「畑がワインの全て」という信念に基づいています。
親しみやすくも唯一無二の個性を持つワイン
ダリオのワインは、伝統的な長期マセラシオンを軽快に仕上げる独自のスタイルが特徴です。果皮のタンニンを活かし、酸化を防ぎつつバランスの取れた味わいを追求。オーク、アカシア、栗の木樽で熟成させ、地元の木材を使うことで地域性を尊重します。一部のワインでは産膜酵母を使い、さらなる複雑さを加えています。「ワインは体で楽しむものだ」という哲学のもと、親しみやすくも唯一無二の個性を持つワインを生み出しています。