非常に濃く、やや青みを帯びた深い赤色の外観。ブラックチェリーやダークベリー、プラム、カシスの香り。さらにスモークやサンダルウッド、スパイス、黒い土も。ふくよかで力強い質感が広がり、凝縮した黒系果実の果実味が豊かに感じられ、きめ細かくしなやかなタンニンが存在感を示します。厚みのある味わいが広がり、口中で確かなグリップを伴いながら長い余韻が残ります。凝縮感と骨格の強さが際立ち、若いうちは引き締まった表情を見せながら、熟成によって奥行きと複雑さを深めていく力強く堂々としたスタイルです。長期熟成のポテンシャルが素晴らしく、熟成のピークを迎えたこのワインは、まさに多面的な複雑さが表れます。
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モレ・サン・ドニを象徴する歴史ある名門
【フランス・ブルゴーニュ/ドメーヌ・ポンソ】

1872年から始まるドメーヌ・ポンソの歴史
1872年にウィリアム・ポンソがモレ・サン・ドニに拠点を構えたことからドメーヌ・ポンソの歴史は始まります。当初からクロ・デ・モン・リュイザンとクロ・ド・ラ・ロシュという重要な畑を所有していた点が、このドメーヌの大きな特徴です。1920年にはアンリとイポリット・ポンソが継承。クロ・ド・ラ・ロシュの区画を拡大したことが大きな転機となりました。1934年には当時としては極めて珍しい自社瓶詰めを開始。ワインはヨーロッパやアメリカへ輸出されます。イポリットは法律学博士でもあり、1925年にはブルゴーニュ原産地呼称制度の草案作成に関わりました。この提案が1935年と1936年のAOC制度の成立へつながったといわれています。ポンソはモレ・サン・ドニの歴史と制度の形成に深く関わる存在です。ブルゴーニュの伝統を語るうえで欠かすことのできない名門ドメーヌです。

自然栽培と独自哲学が生む個性的なワイン
ポンソのワイン造りは独自の哲学に支えられています。1977年から化学薬品を使わない自然栽培を導入しました。ビオロジックやビオディナミとは異なる独自の方法です。剪定はコルドン・ロワイヤを採用。樹勢を抑え低収量を実現します。収穫はコート・ド・ニュイでも最も遅い時期に行われます。ブドウはすべて手摘みです。選果は必ず畑で実施します。腐敗果が箱に混ざることを防ぐためです。収穫した房は籠に入れられ最大17kgの箱へ移されます。その後醸造所へ運ばれます。醸造所は4層構造のグラヴィティ・フローです。ポンプは一切使用されません。発酵容器には使い古した木桶を使用。熟成樽も5〜20年の古樽が中心です。亜硫酸の使用は極めて少量です。瓶詰め時の添加は行われません。繊細さ・エレガンス・フィネス。この3つがポンソのワインを形づくる核心です。

現在はローズ・マリー・ポンソが4代目当主に
1981年からローラン・ポンソがドメーヌに参加します。輸出市場の拡大を進めました。ワインは世界44ヵ国へ広がります。ブルゴーニュを代表する生産者として知られる存在となりました。2017年にはローランがドメーヌを離れます。現在は妹ローズ・マリー・ポンソが4代目当主を務めています。醸造責任者はアレクサンドル・アベルです。ローランが築いた哲学は現在も守られています。ポンソの代表的なワインはクロ・ド・ラ・ロシュ、クロ・サン・ドニ、モレ・サン・ドニ1級クロ・デ・モン・リュイザン・ブランです。近年はシャルム・シャンベルタン、クロ・ド・ヴージョ、コルトン・シャルルマーニュなどもラインナップに加わりました。ワインは若いうちは個性が強く理解が難しいこともありますが、長期熟成によって驚くほどの複雑さが現れます。20年から30年の熟成にも耐える偉大なブルゴーニュです。