山ごとビオディナミを実践し、コルシカ島の固有品種からこの場所ならではのワインを生み出す生産者。
馬による耕作を行い、農薬どころかボルドー液すら使わないこの土地の自然を最大限に生かしたワイン造りを実践しています。
淡く透明感のあるチェリーレッドの外観、粘性はしっかりめ。
グリオットチェリーやラズベリー、クランベリーなどのピュアな赤果実の香りに、プラム、山桃、アップルティーなどの優しい香り。さらにザクロやアセロラ、ローズヒップなどのチャーミングな香り、そして全体に落ち着きを与える下苔や土のニュアンスも含む軽やかながら奥行きのある非常に良い香り。口に含むとフルーティでややテンションの高い赤い果実の香りがまず昇り、その後すぐにじんわりとした優しい旨味が溢れてくる。
一部全房発酵らしいしっとりとした土っぽさとかすかなスパイス感もくわわり、チャーミングな酸が心地よく長く続きます。
シャカレロとニエルキオ(サンジョヴェーゼ)というこの土地ならではの品種から作られるこのワインは非常に独自性のある素晴らしい味わいを見せてくれます。ぜひ先入観なしに飲んでいただきたい1本。
ペアリングはコルシカの素材と合わせるのが理想だと思いますが、ウズラやハトなどの鳥のジビエと相性がよさそうです。
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フランス革命の立役者として知られ、ナポレオンと共に活躍した「シャルル・アバトゥッチ」の末裔が、コルシカ固有品種を復活させるべく奮闘。山ごとビオディナミを導入し、コルシカらしい素朴な味わいで他には無い個性を感じさせるワインを造っています。
アジャクシオの街には「アバトゥッチ」の名が付けられた道路、公園が残っているように、アバトゥッチ家は今もコルシカで最も重要な一族です。
一族のもう1つの功績が、60年代にアントワンヌ・アバトゥッチが農業協議会の会長に就任し、コルシカ独自の農作物の保全に務めた事。
19世紀に入るとアバトゥッチ家はアジャクシオの南、タラヴォ丘陵を開墾し、自らコルシカの固有品種を中心にワイン造りを開始します。アントワンヌは各地の荒廃していく畑の枝を切り、自分の畑に接木して固有品種を保存、増やしていきました。その品種は今も残されており、現在では18種類のコルシカ固有品種をアントワンヌが保護し、息子で現当主ジャン・シャルルが引継ぎ、固有品種を活かしたワイン造りを再開しています。
1992年に現当主「ジャン・シャルル」が父親から引継ぎ、古樹のマッサルセレクションを開始。
更に、2000年から全ての畑でビオディナミを導入。基本的に耕作は馬と人の手で行い、トラクターは畑に入れません。『ビオディナミは土地のものをできる限り使っている。周辺の自然の中で持続可能な農業を行い、コルシカ独自のワインを残していく』と語る「ジャン・シャルル」は、本物の農業が根絶してしまうと考えていて、効率性や生産性ではなく、土地固有の文化や個性を残す活動をしています。