ダークチョコレートやチェリー、ラズベリーの香りと僅かなスパイス香が華やかな香り。ジューシーで豊かな果実味に支えられ、しなやかなタンニンと活き活きとした酸の絶妙なバランス。力強くもピュアで、奥行きと洗練を兼ね備えたリッチかつエレガントなスタイルのピノ・ノワールです。パッツ&ホールの単一畑のラインナップの中でも最もジューシーでリッチなワインのひとつ。
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チェノウェス・ランチは、1838年にボルチモアからソノマ西部へ移住した開拓者、チェノウェス家の土地に広がる畑です。代々家族が暮らしてきたグリーン・ヴァレーの屋敷に隣接し、2000年に現当主チャーリー・チェノウェスがパッツ&ホールのためにピノ・ノワールを植樹しました。チャーリーは高校時代から家族の土地で農業を学び、現在は自らの栽培管理会社を率いて、この由緒ある畑を心血を注いで守り続けています。
畑はロシアン・リヴァー・ヴァレーAVAの西端、冷涼なグリーン・ヴァレーに位置し、ゴールドリッジ土壌と南向きの緩やかな斜面、そして西側の丘による風の遮断といった理想的な条件に恵まれています。チャーリーはこの家名を冠する畑の品質に誇りを持ち、自然な酸と凝縮感を備えたディジョン・クローンのピノ・ノワールを丁寧に育てています。
Patz & Hall(パッツ&ホール)は、1988年にドナルド・パッツ氏、ジェームズ・ホール氏、アン・モーゼス女史、ヘザー・パッツ女史という4人の情熱あふれるパートナーによって創業されました。ナパのフローラ・スプリングスで出会ったホール氏とパッツ氏が、優れた畑から伝統的な技術で造るリッチで魅力的なワインに共鳴したことがすべての始まりでした。彼らは醸造、販売、栽培管理など、それぞれの得意分野を活かしてPatz & Hallを成長させ、単一畑シャルドネとピノ・ノワールの先駆者として、ワイン業界に確かな地位を築き上げました。
パッツ&ホールは自社畑を持たず、創業当初から「畑の選定」にこだわり続けてきました。Hyde Vineyard、Hudson、Zio Tonyといったカリフォルニアを代表する栽培家たちとの長期的なパートナーシップにより、毎年最高品質のシャルドネとピノ・ノワールを生み出しています。ソノマ・コーストやカーネロス、ロシアン・リバー・ヴァレーなどの冷涼で個性的な産地の特徴を表現するために、それぞれの畑に適したクローン、酵母、樽選定を行い、区画ごとの個性を丁寧に醸し出す姿勢は今も変わりません。
2024年、ジェームズ・ホール氏は、ステ・ミシェル・ワイン・エステーツの所有下にあったPatz & Hallを8年ぶりに買い戻し、ワイナリーは再び家族経営の独立体制へと戻りました。「これは私のライフワークであり、引退は考えていない」と語るホール氏のもと、パッツ&ホールは新たな時代へと歩みを進めています。年産約4万ケースの少量生産を維持しながら、ソノマの地から世界に向けて、高品質でテロワールを映し出すシャルドネとピノ・ノワールを届け続けています。
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