深いピンクアンバー色の印象的な色合い。ハイビスカスや砂糖漬けの柑橘類、熟したアプリコット、タンジェリン、ジンジャーの香りが層を成すエキゾチックで複雑なアロマ。力強さとエレガンスを兼ね備え、果皮由来の微かな渋みとフレッシュな酸味が絶妙なバランスを生み出します。舌の上で刻々と変化する味わいと長い余韻が残ります。爽やかなピノ・グリージョのイメージを超えた洗練された味わいです。
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ピノ・グリージョをマセラシオンしたのはダリオが初めてでした。フルーティーでフレッシュな美味しさが個性とされてきたので、マセラシオンする造り手はいなかったのです。『僕達が所有するピノ・グリージョは粒が小さく、果皮が厚い珍しい昔のクローンなので、元々フレッシュ&フルーティーではなく旨味の濃厚なワインだった』ヨスコ・グラヴネルにも嘲笑されながら造り始めたピノ・グリージョ。当初は30日間でしたが、現在では8日間の短いマセラシオンでより品種個性を強く感じさせます。
「シヴィ」もピノ・グリージョから造られており、そのワイン名はスロヴェニア語で「灰色」を意味し、イタリア語では「グリージョ」に相当します。ある年のDOC規定変更により、IGTワインには「ピノ・グリージョ」と表記することが認められなくなりました。そのため名称変更の際に、戦後イタリア政府の政策で冷遇され消えつつあったスロヴェニア語への敬意を込めて、ラディコンたちとともに「シヴィ」と名付けられました。
ラディコンから師事を受けた、フリウリ自然派の名手「ダリオ・プリンチッチ」
ダリオ・プリンチッチは1993年、イタリア・フリウリ地方で設立されました。貧しい農家の出身でワイン造りの経験がなかったダリオは、友人であるラディコンやグラヴネルの影響を受けてワイン造りを開始。当初、濁った茶色のワインは市場で理解されず、販売は困難を極めましたが、日本がその味をいち早く評価。日本市場からの逆輸入という形で注目を浴び、現在ではフリウリのナチュラルワインを代表する存在となりました。彼のワインは、華やかで軽快な味わいが特徴です。
「畑がワインの全て」という信念に基づく自然農法
ダリオの畑は10haに広がり、自然農法を徹底しています。粘土質と砂岩質からなるポンカ土壌が主体で、ブドウの収量を抑えることで凝縮した果汁を得ています。銅や硫黄を最小限に抑え、自家製のコンポストを使用することで環境への配慮を徹底。収穫1か月前まで下草を伸ばし、生物多様性を保つため畑周辺に森を残しています。これにより、地域性が明確に表現されたブドウが育ちます。彼の哲学は、「畑がワインの全て」という信念に基づいています。
親しみやすくも唯一無二の個性を持つワイン
ダリオのワインは、伝統的な長期マセラシオンを軽快に仕上げる独自のスタイルが特徴です。果皮のタンニンを活かし、酸化を防ぎつつバランスの取れた味わいを追求。オーク、アカシア、栗の木樽で熟成させ、地元の木材を使うことで地域性を尊重します。一部のワインでは産膜酵母を使い、さらなる複雑さを加えています。「ワインは体で楽しむものだ」という哲学のもと、親しみやすくも唯一無二の個性を持つワインを生み出しています。