シャンパーニュと同じ製法で造られるフランスの上質なスパークリングワイン「クレマン（Crémant）」。現在、認められているAOCは、クレマン・ド・ロワール、クレマン・ド・ブルゴーニュ、クレマン・ダルザス（アルザス）、クレマン・ド・ボルドー、クレマン・ド・ディー（ローヌ）、クレマン・ド・リムー（ラングドック）、クレマン・デュ・ジュラ、そしてサヴォワのクレマンの8つです。今回はその中から5つのアペラシオンをセレクト。それぞれ産地の特徴が見事に表現されている5本飲み比べのセットです。

クレマンは瓶内熟成期間が9か月以上（クレマン・ド・ディーは12ヶ月以上）と定められているため、シャンパーニュのようなキメの細かい泡立ちや、ブリオッシュなどの酵母由来の複雑な香りを楽しむことができます。高品質な味わいであるにもかかわらず、お手頃な価格というところが世界中で人気の理由のひとつ。また、使用してよい品種もアペラシオンならではの品種の使用が定められているため、ピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエが主体のシャンパーニュより個性が際立った味わいを楽しむことができます。今回の5本は、各アペラシオンの良さがちゃんと表現されていて、且つクレマンらしい上質な味わいであることを基準に選定しました。それぞれが持つ魅力的な個性をぜひ楽しみながら味わってみてくだい。

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シュナンの蜜っぽい雰囲気とコクのある旨味、思わず溜息がこぼれる極上のクレマン・ド・ロワール

アルノー・ランベールのワイン造りの哲学は「ピュアであること」。このワインはその想いが見事に反映されているようなクレマンです。透明感があり、完成度が高い。シュナンの蜜のような雰囲気とシャルドネの腰のすわった旨味を感じることができます。凝縮した果実味と旨みが一体となっり、心と体をほぐしてくれる、まさに癒しの味わい。

ナッツフレーバーが旨みと複雑さを引き立てる、シャルドネ100%のクレマン・デュ・ジュラ

アンドレ・ボンノは、ジュラ地方で4代にわたり家族経営を続けているメゾン。シャルドネのみを使用し、最低でも12ヶ月間、瓶内で澱と共に熟成を行っています。キメの細かい泡、青リンゴや柑橘系果実のアロマ。ジュラ地方のワインに良く感じられるナッツのニュアンスがアフターにあります。旨みを伴う複雑な味わいが長く続く高品質なスパークリングワイン。ナッティなニュアンスと合わせて、ナッツやハムなど軽いおつまみで、ゆっくりと楽しむのもおすすめです。

クレマン・ダルザスらしいエキス分の強さと、ボリュームのある果実味を感じられる1本

マルセル・ユーグはアルザスの中心地ベルクハイム村で1760年よりワイン造りを行っている歴史あるドメーヌです。繊細な泡立ち。アルザスらしいしっかりと熟して凝縮した果実味が特徴的なクレマンです。24ヶ月かけてゆっくりと瓶内二次発酵した上質な味わいをお楽しみいただけます。幅広くの方に人気のスタイルのスパークリングワイン。人が集まる賑やかなシーンにピッタリの味わいです。

王道のブリオッシュの香り、高級感あふれるクレマン・ド・ブルゴーニュ

ドメーヌ・ド・ラ・ブリトーシュはブルゴーニュ最北部シャブリ地区に位置するドメーヌ。このクレマンは、キンメリジャンの上に粘土質石灰土壌が広がる畑のブドウから造られています。白い花の香りとともにアーモンド、芳醇なブリオッシュのアロマ。柑橘系のフレッシュさとリンゴを思わせる果実味が広がり、豊かなミネラルが全体の骨格を引き締めています。非常に長い余韻を楽しめる王道クレマン。

ボランジェで働いていた息子が継承、より本格派のクレマンへ

オクシタニーのリムーで7世紀にわたって家族経営を続けている由緒あるクレマン醸造の老舗ラ・フェット。地中海に臨みながらもピレネー山脈から連なる高知の冷涼感をまとう上質な「クレマン・ド・リムー」を造っています。キリっとした心地よいキレ味がありながらも、ふくよかな果実味と凝縮感を楽しめる辛口のスパークリング。長い余韻と洗練された泡立ちが品質の高さを感じさせてくれます。ボランジェで働いていた息子バティストがワイナリーに戻ってから、より味わいを引き出すために熟成期間を24ヵ月に延長するなど、新たな取り組みにも挑戦。今後、さらなる品質の向上に期待が募る、目が離せないワイナリーです。